日本酒 味の違い 吟醸酒、純米酒、本醸造酒

加熱処理と保存

 

 

日本酒には、生のタイプと、保存のために殺菌処理をしたタイプがあります。一切水を加えていない、搾りたての酒を原酒と呼び、そのアルコール分は17~20%とやや高めです。一般的に「生酒」と呼ばれているものは、この原酒に加熱処理を一切行なわずに、水を加えて飲みやすくしている日本酒です。そのため、麹の香りやもろみの風味がそのまま残っていて新鮮さがあるのが特徴です。

 

また、季節の変化によって味や香りが変わるのも、この生酒の楽しみ方のひとつです。一方、生酒を加熱処理せずに生のまま貯蔵しておき、瓶詰めの直前に一度だけ加熱処理したものは「生貯蔵酒」と呼ばれます。そして、一番一般的な日本酒である「清酒」とは、生酒をタンクで加熱処理し、出荷する前にもう一度加熱処理が行なわれているものです。加熱処理の技術というものは、昔はなかったものですので、日本酒といえば生の酒しかありませんでした。

 

また、現在のような冷蔵の技術というものも、昔はありませんでしたから、夏の気温の高い時期などでは、日本酒を出荷することが出来なかったのです。現在では、当たり前のように一年中日本酒を飲むことができますが、それは加熱処理の技術が進歩し、日本酒を長い期間保存することが出来るようになったからなのです。